WEB制作
LP(ランディングページ)の効果的な制作方法をWEBマーケターが徹底解説
この記事では、「どうやったら効果的なLPが作れるのか」「実際にどうやって制作するのか」を数々のLP制作に関わってきたWEBマーケターが徹底的に解説します。
LPについての知識を深め効果的にLP制作を進められる様にしましょう。
目次
LP(ランディングページ)とは
Landing Page(ランディングページ)のLandingは直訳すると着陸の意味で、ランディングページは着陸するページとなります。
ユーザーが最初に訪問する(着陸する)ページということになります。
この最初に訪問するページは広い意味でのランディングページになり、ランディングページは広い意味と狭い意味で使われることがあり、一般的に使われているのは狭い意味でのランディングページとなります。
広い意味でのLP(ランディングページ)
ランディングページへの訪問経路は様々で、「広告から」「検索から」「SNSから」「ブログから」「他サイトから」とこれらから訪れるユーザーが最初に訪問するページが広い意味でランディングページです。
狭い意味でのLP(ランディングページ)
サイト訪問者に「申込」「登録」「資料請求」「購入」等の何かしらのアクションをさせることに特化した縦長の基本1枚のページを狭い意味でのランディングページと言います。
当記事ではこちらの狭義のランディングページ(以降LPと記載)のことを解説しております。
LP(ランディングページ)の作り方
それでは実際に効果的なLPを制作するための8つのステップを解説していきます。
効果的なLP制作の8ステップ
1.目的の設定
2.ターゲットの設定
3.流入経路の設定
4.ワイヤーフレームの設定
5.構成に基づいた各コンテンツの作成
6.デザイン
7.コーディング
8.公開
1.目的の設定
LPを作成するにあたり、何に向かって制作し運用するかの目的をはっきりさせておく必要があります。
よくあるLPの目的例
○ 商品購入
○ 会員登録
○ 資料請求
○ サービスの申込
○ メルマガ登録
○ 問い合わせ
目的によってユーザーがアクションを起こすハードルの高さが違うため、コンテンツの充実度やコンバージョン(成約)までの導線を変える必要があるため非常に重要になります。また、目的が決まることによりそれに対する目標も設定することができます。
目的によって戦略が変わるため、必ず目的設定をはじめに行って下さい。
KGIとKPIを設定する
KGI(Key Goal Indicator)
重要目標達成指標。施策のゴール(目的達成)の数値こと。
KPI(Key Performance Indicator)
重要業績評価指標。ゴールを達成するための中間目標の数値こと。
KGIとKPIの設定例
「KGI→資料請求10件/月」の場合、「KPI→コンバージョン率1%、フォーム離脱率25%、クリック率2%、PV数1,000/月等を設定し、その数値目標を達成するための施策をする。
2.ターゲットの設定
目的が設定できたら、次にターゲットを設定します。
ターゲットは曖昧ではなく、あなたの顧客の最も理想な人物モデルでペルソナを設定しましょう。
ペルソナとは
ペルソナとはサービスや商品の典型的なユーザー像のことで、実際にその人物を細かく設定していきます。ここでペルソナをしっかりと設定しておくことで、PDCAを回す際にぶれずに行うことができます。
- 名前
- 年齢
- 性別
- 居住地
- 職業
- 役職
- 年収
- 趣味
- 家族構成
- 特技
- 価値観
- 生い立ち
- ライフスタイル
よくターゲットとペルソナを混同しがちですが、ペルソナはターゲットに比べ、より詳細に人物像を設定します。LP制作においては、ペルソナは何に悩み、どんな状況でLPを訪問するかを考えます。
3.流入経路の設定
ペルソナが設定できたら、次はLPへの流入経路を設定します。
流入経路を設定するにあたり、広告出稿等のお金がかかる場合もあり、運用にもリソースが必要になるため、運用の予算も決定しておく必要があります。
流入経路例
○ SNS運用
○ オウンドメディア運用
○ ブログ運用
○ 検索連動型広告
○ SNS広告
流入経路は顕在層にアプローチするのか、潜在層にアプローチするのかでも変わってきます。LPのデザインや構成自体も顕在層・潜在層で変わってくるので、まずは優先的にどこを取るかを決定しなくてはなりません。
顕在層へのアプローチ
SNS運用、検索連動型広告やオウンドメディア運用、ブログ運用をするのが良いです。コンバージョン率は高めですが競争率は高めです。
潜在層へのアプローチ
SNS運用やSNS広告を利用するのが効果的です。すぐにコンバージョンには至りにくいですが、顕在層よりも競争率は低くなります。
顕在層・潜在層両方へのアプローチ全てを行えるのが理想ですが、時間もリソースもお金もかかってしまうため、リソースや予算が確保できない場合は優先順位を決めてペルソナの行動パターンを考えアプローチ方法を絞り込んでアプローチを行うと良いでしょう。
4.ワイヤーフレームの作成(構成の決定)
ここまで決まってやっと次にワイヤーフレームの作成(構成を決定)をしていきます。
訪問者に何かしらアクションをしてもらうことがLPの目的になるため、訪問者の気持ちを順序立てて高めてもらいアクションしてもらう導線を作らなくてはなりません。
ワイヤーフレームとは
ワイヤーフレームとはWEBサイトのレイアウトの設計図のことです。完成イメージを見える化しチームで共有するのにも役立ちますし、制作者とクライアントとのデザイン前の認識のズレを無くすのにも非常に役に立ちます。
LPにおけるワイヤーフレームはコンテンツやコンバージョンまでの導線の確認にも使いやすいためデザインを行う前に作成することをおすすめします。
LPの大まかな構成要素は、ファーストビュー、ボディコピー、クロージングとなっていて、各要素にコンテンツをペルソナに対して最も効果がある様に配置する必要があります。
5.構成に基づいた各コンテンツの作成
ワイヤーフレームが完成したら、構成に沿ってコンテンツを作成していきます。
ファーストビュー
LPを開いて最初に表示される領域のことで、LPにおいて最も重要な要素となります。なぜファーストビューが最も重要かと言いますと、訪問者には必ず表示され最も読まれる要素でこの後のコンテンツを読み進めてもらえるかは全てファーストビューで訪問者の心を掴めるかどうかにかかっているからです。
一般的なファーストビューの構成要素
○ キャッチコピー
○ アイキャッチ画像
○ 権威付け
○ CTA
キャッチコピー
キャッチコピーは訪問者の心を掴むための宣伝文句になります。
ペルソナがどのような想いでLPを訪問したかを考え、ペルソナの心に刺さり次の行動(LPを読み進めるorコンバージョン)をしたくなるキャッチコピーを掲載することが大切です。
アイキャッチ画像
アイキャッチ画像はLPの印象を視覚的に訪問者に与える効果があります。ひと目でどの様なサービスや商品かがわかる画像で、ペルソナの注意をひけるものかを意識して使用して下さい。
権威付け
権威付けは、訪問者に安心感を抱いてもらい、LPを読み進めてもらったりコンバージョンに非常に重要な要素になります。
専門性や希少性に人々は惹かれ安心する傾向にあるため、ファーストビューできちんと示して訪問者に安心感を与えましょう。
権威付けを行う際は、「顧客満足度98%」「取引社数2,000社」等の具体的な数値を用いて行うようにしましょう。
CTA
CTAとは、Call To Action(コール トゥ アクション)の略で、直訳すると行動喚起という意味です。
WEBサイトにおけるCTAは、訪問者にアクションを起こさせるために設置されたイメージやテキストのことです。LPでは基本的に、「今すぐ資料請求をする」や「今すぐ登録」等のフォームへのリンクボタンがCTAとなります。
ボディコピー
ボディコピーはLPのメイン部分となる要素です。ここで訪問者がアクションを起こすために訪問者の欲求を引き上げることが目的となります。
このサービスや商品によってどの様な未来が訪れるかをイメージしてもらい、なぜそうなるかを説明し感情よ理性に訴えかけ欲求を高めていきます。
一般的なLPのボディーコピー構成要素
○ 関心喚起
○ サービスや商品の紹介
○ ベネフィット
○ なぜベネフィットを得られるかの証拠
○ お客様の声
○ よくある質問
関心喚起
- このLPを読み行動を起こすことで訪れる未来
- 訪問者(ペルソナ)の悩みに寄り添う
このLPを読み行動を起こすことでどの様な未来が待っていてどの様な結果が訪れるのかを示します。ボディーコピーの一番上で示すことにより、期待感を高め離脱率を減らします。
訪問者(ペルソナ)の悩みに寄り添い、「こんな悩みをもっていますよね?」「こういうふうになりたいですよね?」等の訪問者の抱える感情を共有し、自分を深く理解してくれていると感じてもらい更にLPを読み進めてもらいます。
サービスや商品紹介
どの様なサービスや商品で、競合とはどの様な違いがあるのかを説明します。また、そのサービスや商品から得られるメリットをより具体的に掲載します。
ベネフィット
ベネフィットを掲載することは、サービスや商品の素晴らしさを伝えるためには非常に大切です。
ベネフィットとは
ベネフィット(Benefit)とは、英語で「利益」「恩恵」「便益」などの意味で、マーケティングではサービスや商品から得られる良い効果のことを指します。
LPでは、そのサービスや商品によってもたらされる未来を掲載すると良いでしょう。
メリットとベネフィットの違い
メリット→サービスや商品の特徴や強み
ベネフィット→サービスや商品によって受けられる良い体験
なぜベネフィットを得られるかの証拠
ベネフィットだけを並べても、そのベネフィットに対する証拠がなくては訪問者に信じてもらうことはできません。逆にベネフィットに対する証拠を示すことで信憑性を高め、アクションを起こす感情の正当性を訪問者に与えることができます。
ベネフィットの証拠は可能な限り数値で示すようにしましょう。
お客様の声
実際にサービスや商品を利用した第三者の声を掲載することで、ベネフィットの信憑性やLP自体の信憑性や安心感を高め、更にはサービスや商品を利用・購入した際の未来の姿をイメージしてもらうことができます。
よくある質問
よくある質問は、訪問者が疑問に思うことを先に答えてあげることで、訪問者の手間を省き、アクションを起こさない理由を排除してあげることができます。
クロージング
クロージングは最後に訪問者がアクションするための背中を押してあげるものになります。
「特別感」「限定感」を感じてもらえるオファーがあると良いでしょう。
- 今だけ20%OFF
- 期間限定
- 数量限定
また、エントリーフォームの入力が面倒で離脱されてしまうことがよくあるため、離脱を防ぐためにエントリーフォームの要素はしっかりと絞り込むことが大切です。
エントリーフォームの要素は必要最低限に抑えることで離脱率を下げることができます。
6.デザイン
ここまで決まったらついにデザインを行い決定します。デザインはペルソナを軸にして、ペルソナがLPを読み進めたくなるものにする必要があります。
ペルソナに沿ったデザインのポイント
○ サイトカラー
○ ビジュアルのイメージ
○ フォントサイズ
○ 文字や要素の間隔
7.コーディング
デザインが決まったらコーディングをしてLPをWEBページにします。
公開後、運用をしていく際に効果を測定し改善を自社で行う場合には、コンテンツの編集や修正ができるように組んでもらう必要があります。
8.公開
完成しましたら、サーバーにアップロードをして公開します。
公開をしたら運用のフェーズに入り、効果を測定し改善していく作業を行います。
LP(ランディングページ)の運用
この項では実際に成果に繋げるための、LP制作後の運用について解説していきます。
制作後すぐのLPは目的達成するための仮説を立てて作成したものになるため、必ずしもすぐに良い成果が現れるとは限りません。LPは制作後の運用の中で分析をし仮説検証を行い、改善し精度を上げていくものです。
LPOとは
Landing Page Optimizationの略で、ランディングページ最適化と訳されます。
CVR(成約率)をあげるマーケティングの手法のことです。
ここからは、実際にLPでの成果をアップするための改善方法を順序立てて見ていきましょう。
LPOの手順
LPOの大まかな手順は以下になります。
LP運用は下記のPDCAを回し、より良いLPに仕上げ成果を上げていきます。
- LPへの流入経路分析と最適化
- ファーストビュー最適化
- CTAの最適化
- エントリーフォームの最適化
- 各コンテンツの最適化
LPOでよく使う基本的なツール
- Googleアナリティクス
- ヒートマップツール
- 表示速度チェックツール
- ABテスト用ツール
1.LPへの流入経路分析と最適化
まず大前提としてLPOを行うためには、制作したLPにある程度の数の訪問者がいなければ正確な分析はできません。そのため、まずは最低限以上の訪問者を確保できるように、LPへの流入経路の分析と最適化を行います。
正確な分析を行うためにも、成果(コンバージョン数)をあげるためにも訪問者数(セッション数)を最大化することは非常に重要になります。
LPのコンバージョン数
コンバージョン率 × セッション数(訪問者数) = コンバージョン数
セッション数の最大化は、最初に設定した流入経路によってもやり方は変わってきます。検索連動型広告であればキーワード最適化やクリック率最適化を行い、SNSからの流入はSNSでのフォロワーやインプレッション数等の数値を最大化する施策をうち、LPへの流入経路を最適化します。
ここでセッション数を最大化する作業は終わりではありませんが、効率的に成果をあげるため、ある程度の数の訪問者がLPに集まり出したら、LP自体を最適化していく作業に入ります。
2.ファーストビュー最適化
LP自体の改善でまず最も効果に直結するのが、ファーストビューの改善になります。ファーストビューは基本的にキャッチコピー、アイキャッチ画像、権威付け、CTAの4つからできています。これらを1つずつ最適化していきます。
LPO各コンテンツ最適化の方法
LPを改善する時には、コンテンツひとつずつを改善していきます。キャッチコピーを改善するのであれば、「キャッチコピーAパターン」「キャッチコピーBパターン」それぞれのLPでABテストを行いより効果の高いパターンを選択していき最適化を行います。
LPOを行うポイント
ABテストでパターンを作る際には、ペルソナを想定して仮説を立て新たなパターンを作成しましょう。分析ではその仮説が正しいかどうか、間違っていたならどこが間違っていて、次はどの様な仮説を立てられるかを考えてパターンを作成してください。
正確な検証を行うためにも同時に複数の場所を変更して行わず、必ずパーツひとつずつでABテストを行なってください。
ABテストでは、ヒートマップツールを使用しLPのどこで離脱していて、どこが閲覧されているかに注意して行いましょう。
3.CTAの最適化
CTAはコンバージョンに直結する非常に重要な要素です。ペルソナをイメージして、色、形、大きさ、テキストの装飾、テキスト内容等を改善しましょう。
4.エントリーフォームの最適化
エントリーフォームは基本的に入力内容が増えれば増える程、離脱率が上がります。そのため、必要な情報はもらいつつ、最低限の入力で済むようにしてあげることが大切です。また、入力フォームの見やすさや分かりやすさも重要な要素になります。
5.各コンテンツの最適化
エントリーフォームの最適化まで終わったら次は各コンテンツの最適化を行います。各コンテンツのパーツごとに、「テキストはこれで正しいか?」「デザインはこれで良いか?」「画像はこれで良いか?」等を考えそれぞれでABテストを行い最適化して下さい。
ここまでひと通りやった頃には、それなりに効果は出ているはずです。上記以外にも表示速度の改善を行うことで離脱率を軽減することができます。
PDCAを回す
ここまでの1〜5を常に行い高回転でPDCAを回しLPを最適化していくことで、より早く継続的に成果をあげることができます。
まとめ
LPは制作すれば終わりではありません。成果をあげるためには常により最適なLPに改善していく必要があります。LPで売上に繋がってきたらその売上をLPへと再投資することで、さらなる成果を生み出すことが可能です。
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